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ニカラグアで強盗に襲われた 1/3

The Day 2026 - 2008-05-24 Sat 22:45 Managua, Nicaragua… Biohazard - Kill Or Be Killed
マナグアのモール

ニカラグアのグラナダで数日を過ごした後、一泊二日でグアテマラまで行く国際バスのチケットを買った。

ニカラグアとグアテマラの間には、ホンジュラスとエルサルバドルの二つの国がある。治安もあまり良くないし、僕らはこの二カ国をバスで一気に駆け抜けることにした。

長いこと旅をしていると、中南米のスペイン語圏というのは、どの国も同じに思えてきた。言葉は当然ながら、人の顔も食文化も似通っていて、次の国へ行っても何の刺激も受けなくなってしまう。

僕は、特に行きたい理由もなく興味もわかない場所へは、行かないことにしている。行くか行かないか迷ったら行かない。僕が求めるのは、のんびり過ごせる場所。というわけで、比較的評判のいいグアテマラまで、のんびりするために急ぐことにした。

バスはニカラグアの首都、マナグアから出発する。グラナダからマナグアまでは、路線バスで一時間ほど。昼ごろ出発して、目的の TICABUS ターミナルへは苦もなく着いた。

マナグアは治安が悪いと聞いていた。それで僕らは用心して、バス会社経営のホテルに部屋を取った。ターミナル内にあるので、大きな荷物を背負ってうろうろする必要がない。

出発は明朝5時。エルサルバドルの首都サンサルバドルで、ここと同じようにバスターミナルのホテルで一泊し、その翌日にはグアテマラに到着する。後はバスに乗り込みさえすればいいだけだ。

しかし、事件はこの出発地点のマナグアで起きた。僕とよっちは、強盗に襲われた。

ホテルの周辺には食事できるような店は何もない。5分ほど歩いたところにショッピングモールがあるのを知り、僕らはそれを目指してホテルを出た。午後二時、まだ日は高い。

モールで食事をし、しばらく時間を潰した。少し日が傾いてきたので、夕食用にフライドチキンを買い、帰りも徒歩でホテルを目指した。

ホテルまで 100m。背後の人の気配に無意識のまま振り向くと、二人組の男が突進してきて、今まさに僕らに襲いかかろうとする瞬間だった。二つの凶悪な顔が視界に入った。両方の視線が僕の顔を捉えていた。その真剣で冷酷な目が、冗談などではないことを伝えていた。

驚きよりも、恐怖の感情が先だった。次の瞬間には、首を守れと本能が指令を出した。中南米の強盗は背後から首を絞め、相手を気絶させてから金品を奪う。僕が振り向いたせいか首を絞められることはなかったが、そのかわり抵抗する時間もなかった。

鞄は背中側、臀部の上にあった。腰をぐるりと巻く幅広いハーネスが付いており、大きなバックルで止めてある。それとは別に肩ひもがタスキ掛けになっており、鞄は完全に体に密着している。もともとロッククライミングに使う鞄で、ちょっと引っ張ったくらいでは外れない。

体を反転して強盗と対峙する暇もなく、一人の男に組付かれ、もう一人が鞄を引っ張った。コンクリートの上に押し倒された僕にできたのは、鞄のひもを掴んでおくことと、ポリシアッ!! ポリシアッ!! と声の限り警察を呼ぶことだった。

自分がどういう状態にあるのかもわからない。押さえ付けられているのか、起き上がることができない。よっちの悲鳴も聞こえる。犯人が武器を出すかもしれない。奴らは携帯電話ひとつ奪うのに人を殺すこともある。混乱と恐怖のため、感情と思考が麻痺している。

僕の体から引き剥がされた鞄を、よっちは身を挺して守った。強盗二人と、僕ら二人、絡み合いながら路上に倒れ込んでいる。僕は声の限り叫び続けた。強盗は何も言わない、最後まで一言も発せず、奪うという目的のためだけに行動していた。

一台のタクシーが、倒れているよっちの頭をかすめて通りすぎた。タイヤで髪の毛を踏みそうな距離。運転手が犯人への威嚇のためにやったのかもしれない。少し離れたところには人もいたが、誰も助けには来ない。助けに入れば、自分が襲われるのを知っているのだ。

わずか数十秒の出来事だったろう、犯人が走り去ると体に自由が戻った。右手で固く掴んでいた鞄は、まだ僕の手にあった。ハーネスと肩ひもは外されていた。僕の右手は最後まで、無意識の抵抗を続けたらしい。

鞄を抱きかかえ、僕らは逃げた。犯人が逃げたにもかかわらず、僕らは走ってその場から逃げるしかなかった。心は完全に恐怖に支配されていた。よっちは泣き叫んでいた。

思考が麻痺していて、すぐ近くのはずなのにホテルの位置がわからない。道ゆく人に、バスターミナルはどこだと走りながら訊いた。

進行方向から三人の男が歩いてくる、また強盗だと思った。道を変えなければ、しかしその先の道にも強盗がいるかもしれない。心が恐怖で怯えきっている。今までの人生で、こんな感覚をおぼえたことはなかった…。


加倉大輔2008-05-24 Sat 22:45 TrackBack
この記事の感想

 読んでいるだけで寒気が…!! 用心に用心を重ねても、不測の事態は起きるのですね。
 取っ組み合いで小さな怪我はあったでしょうけれど、でも、命に別条無くて何よりでした…。

 気になるのは、ブログのタイトルに「1」がついていること…。「2」とか「3」とかあるんですか? こっ、怖い!!
 でも読みたい。でも怖い。でも読まなきゃ…。でも怖い…。ううう…。

 

butabuta2008-06-17 Tue 15:29

とても怖い思いされましたね!
用心されていてもこの状態とは、やはり東洋人と言う事で目に付いたのか、どうにも治安が悪いと言う事は、人を信じれなくなりますね。

imai2008-06-17 Tue 16:54

誰も助けない、最悪のところです!!・・・・・日本も近頃
物騒になりつつあります。秋葉原で無差別○○。7人も。
モラルも品格も教育も治安もないんですね。とにかく無事でよかった!!大きなサイレンが鳴る物を身につけてshopping
したほうがいいかもね。おどろくぐらい、けたたましく。
何か、防弾チョッキもね。これからは細心の注意で行動を。
タンパやフロリダでも、ひどい事件が起こっているって10年以上前から、しんぶんにのってました。なかなかバカンスとはいきませんね。ファンがいっぱいですね。みんなのためにきっと無事に帰ってきてくださいよー。

ぽち2008-06-21 Sat 05:04
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