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相棒がやってきた チリで荷物を盗まれたからチリなんか嫌いだ

ラパスで偽警官と出会った

The Day 1914 - 2008-02-02 Sat 20:12 La Paz, Bolivia… Sean Paul - Police Skit
ボリビア ラパスの町並み

ペルーからボリビアのラパスへ入る。ここへ戻って来たのは何度目だろう。もう、数えるのも面倒なほど慣れ親しんだ町。

バスターミナルの使用料を払うのをケチっているのだろう、おんぼろバスはどこだかわからない、狭い坂道の途中で停車した。乗客は全員そこで降ろされ、自分がどこにいるのかもわからないまま、重たい荷物を背負い、地図を片手に困惑する。

タクシーの運転手が声を掛けてきた。もうほとんど僕の家と言ってもいい、半年も暮した宿の通りの名を告げると、6 ボリビアーノ (83円) だという。

通常は 8 (111円) は要求してくる、もしくはボってきても 10 ボリビアーノ (139円) がいいところ。ずいぶん安いなと思いつつ、よっちと二人でタクシーに乗り込んだ。

タクシーは反対方向に走り出した。ちょうど今日は大きな祭の最中で、大通りはパレードのため封鎖されていた。それで僕は道を迂回するのだと思い、黙って後部座席に座っていた。

すぐにひとりの女性がタクシーを呼び止めた、ホテルのカードらしきものを運転手に見せている。運転手はまず僕らの目的地へ行ってからだと、その女性に伝えた。

タクシーの相乗りは本来禁止されているはずだが、すべてが適当な後進国ではよくある。元気があれば抗議もするが、長い移動の後ではそんな気もおきない。女性が助手席に乗り込み、タクシーはまた反対方向へ向かって走り出した。

すると、今度はひとりの男性がタクシーを呼び止めた。助手席の窓の外から、なにやら早口で話している。「観光客か?」 男が助手席の女性に質問すると、女性は、そうだと答えた。

男は警察だと言い、女性に後部座席に移るように指示した。僕が何事かと判断しかねている間に、女性はさっさと助手席を出て、よっちの隣に乗り込んできた。自称警察官が空いた助手席に乗り込むと、タクシーはすぐに走り出した。

坂道を登っていくタクシーの車内で、男が後ろを振り向き、旅行者のパスポートのチェックをしていると言う。運転手までもが、そうだそうだチェックだチェックだと捲し立てる。女性は押し黙ったままで、僕とよっちだけが、急な展開についていけずにいる。

男は私服姿で警察には見えない。すると頼みもしないのにバッジを取り出し、僕の目の前にかざした。ようやく状況がわかってきた。どうやら僕らは、身包み剥されようとしている。

嘘臭いバッジに一瞥をくれると、僕は自称警察官を無視して、運転手に車を止めろと命令した。反論の余地など与えず、強い口調でトランクの荷物を出せと続けた。

運転手はすぐに諦めた様子で、すばやく車の後へ回り、荷物を下しはじめた。自称警察官は何も言ってこない。騒がれては困るのだろう。警官に従順な女性は、あいかわらず押し黙ったままだ。

すべてが罠だった。最初に運転手が 6 ボリビアーノと安い料金を提示したのも、ホテルのカードを持った荷物ひとつない観光客だという女性も、すべては仕上げの偽警官登場までの伏線だったのだ。

通常、街中でパスポートチェックする警察などいやしない、ましてやタクシーに乗り込んでまで。たとえ制服を着ていて本物に思えたとしても、指示に従う必要はない。そういう場合は、まず警察署か、日本大使館へ行こうと言い返すのがいい。僕はこれで本物の警官を追い返したことがある。

後進国では本物の警官さえ信用ならない。所持品検査だと言いながら、紙幣を一枚抜き取るなどは朝飯前。正当な理由のない路上での検査は、たとえ本物の警官でも断わるべきだ。

かくして僕とよっちは、どこだかわからない坂の途中に放置され、憤慨しつつ、荷物を抱えて途方にくれた。


加倉大輔2008-02-02 Sat 20:12 TrackBack
この記事の感想

 バックパッカー・デビューのよっちさんにとっては、ハードな幕開けとなったようですね。うーん、可哀想…。
 でも、負けるな! 頑張れ! とことんまで旅を楽しめるように、スタミナを付けて下さい。(こういう時、一人旅じゃないって、いいですね。)

 ところで、一つ、質問…。
 よっちさんは、サイトやブログは作ってないですか? 拝見したいです。気が向いたら、教えて下さい。

butabuta2008-02-27 Wed 09:45

さっそくですか~。
よっちさん、ショックを受けてませんか?
えらい目に会いましたねー。
私もターミナルで、監視官だかなんだか分からない人に連れて行かれそうになりまして、日本語で怒りまくりました。
勢いは通じるもんですよね。(^^)

おふろやです。2008-02-27 Wed 22:33

まずは、無事でよかったと安心しました。
信頼するココロ忘れてしまいそうですね。日本ではまずありえないような出来事だと思うし。
この続きが気になりますね~、つづきを楽しみにしています。
choro

choro2008-02-28 Thu 20:49

お元気ですか~?
何はともあれ、ご無事でよかった。^^;

N.Y.在住だった伯父もおいはぎに何度も遭遇してました…。
日本はまだマシだなぁと思いますが犯罪は増えています。
都内の荒れ様は…悲しいですよ。モラルも下がった気がします。

ひろん2008-04-22 Tue 21:23

加倉さんこんにちは。
私たちは夫婦で1月9日~3月6日までペルー・ボリビア・アルゼンチンと周ってました。ペルーでは何度か加倉さんたちと遭遇したのですが、お話する機会には恵まれませんでした。
ところで、加倉さんたちが偽警官に出会った前日に、私たちもたぶん同じ場所で同じ偽警官グループにやられてしまいました。被害はノートパソコン・クレジットカード・デジカメ充電器・携帯電話用充電器で、金額的には8万円ほどでしたが、ペルーで撮った写真がすべて消えてしまったのがショックでした。
またいつか、どこかで遭遇するかもしれません。その時は是非お話させてください。

ららの肉球2008-04-29 Tue 02:09
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