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西部ヒマラヤ山脈から始まり南東へ流れ、インドからバングラデシュを抜けてベンガル湾に注ぐ、長さ 2,510km の広大な川、ガンジス川。
ヒンドゥー教徒の崇拝の対象とされ、人々はこの川で沐浴を行い、死ぬと灰を流す。この川へ灰を流された者は、前世・現世・来世の三世 (さんぜ) に渡って死と再生を繰り返す輪廻転生の状態から解脱し、生まれ変わってこの世に戻らずとも済むのだと信じられている。
聖地バラナシのガンジス川のほとりでは、24時間休むことなく死体を焼き続けている。そこには数千年もの間、絶えることなく燃え続ける "聖なる火" があり、火を守る番人が張り付いて監視している。死体はバラナシだけではなく、インド各地からやってくる。もうすぐ死期を迎える老人たちは、家族と共にここへ来て死を待つ。
バラナシまで旅をするお金が無い者は、お金が貯まったら、後から灰だけを流してもらうのだとか。
死体を焼くには大量の薪が必要だが、この薪を買うお金が無い場合は、焼かずに死体をそのまま流す。また、子供の死体は汚れていないため、やはり焼かずに流される。妊婦の死体も同様に焼かない。
死体は金色の布に包まれ、花を飾り、男達の手により火葬場のすぐ下の浅瀬へ運ばれ、ガンジス川の水で清められる。水から上がると大量の薪を積んで、聖なる火を分けてもらい、荼毘に付される。
炎が高く昇れば昇るほど、死人は良いカルマ (業) を持っていて、生前良い行いをしたと考えられる。
僕が見た火葬場では、一度に7~8人の死体が個別に焼かれており、立ち上る炎と煙の間から頭や手足が転げ出してくると、係りの人間が棒で拾い上げて炎の中へ戻していた。
焼き終わると、白い服を身に纏い頭を剃り上げた親族がやってきて、男性の死体からはアバラ骨の一部、女性の死体からは腰の骨の一部を拾いあげ、川へ投げ込む。これらの作業はすべて男の親族、多くの場合は兄弟や長男の手によって行われる。
女性が火葬場へ下りることは許されていない。涙を流せば死者がガンジスへ還ってゆくのを邪魔してしまうからだという。当然ながら観光客は遠巻きに眺めるのみで、写真の撮影も許されていない。
死体は次から次へと運ばれてきて、ガンジスの水で清められ、焼かれ、骨と灰をすべて流して終わる。
灰を流す浅瀬では、子供も大人も入り混じって川底の泥を漁っていた。金歯や装飾品が灰の中に混ざっているので、それを探しているのだという。
聖なる火の番人、薪を売る商人、頭を剃り上げた親族、死人、死を待つ者、骨と灰、灰を拾う者たち。そこには生と死があり、歴史があった。
数千年の昔から繰り返されてきた人間の営みが、そのままの形で21世紀の現代でも続いている。22世紀の未来でも、インドが、地球が、このままであって欲しいと思う。
サドゥとの交流、ダメだったんですねぇ。(笑)
でも、バラナシやガンジス川の日記、これまた興味深く読んでます。身体に気をつけて、無理せずに。
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